発達障害だと思ってたら、精神疾患だった。

最近の話。海外出張のために保険に加入しなくちゃいけなくて、担当の部署から用紙を渡されていたんだけど。そろそろ〜、なんて担当者から言われ、慌てて用紙を探すも見つからない。かばんの中も机の中も探したけれど見つからない。探すのをやめて踊ってみても見つからない。仕方がないのでごめんなさいして、改めて用紙をもらう。この時点ですでに締め切りを過ぎていたので、自分のデスクに戻って必要事項を記入して提出。しばらくすると内線がかかってきて、記入しちゃいけないところまで書いちゃってたって。筆記用具と印鑑を持ってすぐにこっちに来い、と。担当者に見下ろされながら「ここに名前を書く!」「ここにフリガナ!カタカナで!」「ここに印鑑!」と、逐一指示をいただきながら記入して無事に提出。
 
なんていうことがしょっちゅうだ。みんなが容易くできることがおれにはできない。
 
いまはこれでもだいぶ良くなったんだけど、子どものころの特技は「なくす」「こわす」「よごす」。親父によく3点セットで怒られてた。授業中もじっと座ってられないし、人の話を最後まで聞けないし。笑い話みたいだけど、小学校1年生のとき、プリントを2枚渡されて、全問できた!と意気揚々自信満々で先生に提出したら、まさかの0点。1枚は足し算、もう1枚は引き算のプリントだったんだけど、まるっきり逆にやっちゃってた。
 
そんなこんなで、おれは自分で自分のことを注意欠陥・多動性障害(ADHD; attention deficit hyperactivity disorder)だと思ってた。
 
その気づきは、23歳のとき。大学院入試のために心理学の勉強と英語の勉強を兼ねて本家アメリカ版のDSM-IV精神障害の診断と統計マニュアル)を読み下してた。そのときに出てきたADHDの項目。
 
 
これ、おれ全部あてはまるじゃん…
 
というわけで、それ以来の12年間、おれはADHDであるという自己認識とともに過ごしてきた。ADHDとうまく付き合うために、みたいな本とか読み漁って社会に適応してるふりをしていた。結局、その認識は間違ってたんだけど。。。
 
それで、病院に行った最初の診断のときにも、おれはADHDだと思って生きてきたんだけど違うんですか?本当に違うんですか?と、しつこく食い下がったんだけど、違いますね、と断言された。これまで発達障害だと思ってたのに、精神疾患だったという。
 

おれは心理学を11年も勉強してひとつだけ分かったことがある。

人の心はわからない。(by おれ氏)

 

なんて冗談をことあるたびに言ってるんだけど、心理学者の名誉のために断りを入れておくと、おれは健常者の知覚を専門にしていたので、精神病理については門外漢。素人了見はあぶないね、っていうお話。

 

 

精神医療・診断の手引き―DSM-IIIはなぜ作られ、DSM-5はなぜ批判されたか

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図解 よくわかる大人のADHD

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「心の専門家」はいらない (新書y)

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