発達障害だと思ってたら、精神疾患だった。
最近の話。海外出張のために保険に加入しなくちゃいけなくて、担当の部署から用紙を渡されていたんだけど。そろそろ〜、なんて担当者から言われ、慌てて用紙を探すも見つからない。かばんの中も机の中も探したけれど見つからない。探すのをやめて踊ってみても見つからない。仕方がないのでごめんなさいして、改めて用紙をもらう。この時点ですでに締め切りを過ぎていたので、自分のデスクに戻って必要事項を記入して提出。しばらくすると内線がかかってきて、記入しちゃいけないところまで書いちゃってたって。筆記用具と印鑑を持ってすぐにこっちに来い、と。担当者に見下ろされながら「ここに名前を書く!」「ここにフリガナ!カタカナで!」「ここに印鑑!」と、逐一指示をいただきながら記入して無事に提出。
なんていうことがしょっちゅうだ。みんなが容易くできることがおれにはできない。
いまはこれでもだいぶ良くなったんだけど、子どものころの特技は「なくす」「こわす」「よごす」。親父によく3点セットで怒られてた。授業中もじっと座ってられないし、人の話を最後まで聞けないし。笑い話みたいだけど、小学校1年生のとき、プリントを2枚渡されて、全問できた!と意気揚々自信満々で先生に提出したら、まさかの0点。1枚は足し算、もう1枚は引き算のプリントだったんだけど、まるっきり逆にやっちゃってた。
そんなこんなで、おれは自分で自分のことを注意欠陥・多動性障害(ADHD; attention deficit hyperactivity disorder)だと思ってた。
これ、おれ全部あてはまるじゃん…
というわけで、それ以来の12年間、おれはADHDであるという自己認識とともに過ごしてきた。ADHDとうまく付き合うために、みたいな本とか読み漁って社会に適応してるふりをしていた。結局、その認識は間違ってたんだけど。。。
それで、病院に行った最初の診断のときにも、おれはADHDだと思って生きてきたんだけど違うんですか?本当に違うんですか?と、しつこく食い下がったんだけど、違いますね、と断言された。これまで発達障害だと思ってたのに、精神疾患だったという。
おれは心理学を11年も勉強してひとつだけ分かったことがある。
人の心はわからない。(by おれ氏)
なんて冗談をことあるたびに言ってるんだけど、心理学者の名誉のために断りを入れておくと、おれは健常者の知覚を専門にしていたので、精神病理については門外漢。素人了見はあぶないね、っていうお話。
精神医療・診断の手引き―DSM-IIIはなぜ作られ、DSM-5はなぜ批判されたか
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